名器~Shigeru Kawai の響きの長さ、弦の張り、人を感じる優しさ
昨日は雨でしたが
表参道の町並みは雨も似合いますね
そんな昨日は
ピアノランド25周年を前に
2年をかけて
著者樹原涼子さんがピアノ文化振興のために贈る
「樹原涼子と名器を巡る旅」
その第2回
カワイ表参道コンサートサロン パウゼにて
Shigeru Kawai
で樹原作品を弾く、聴く、学ぶ
に行ってまいりました。
「音に包まれる」んです。
こんなに幸せな感覚で
ずっと時間が止まっていたらいいのに
演奏をしてくださった皆さんの
ピアノ観、人生観、普段のお人柄や性格、瞬間の想い、
といったものが音に現れ、
最後には
優しい気持ちになりました。
ある方の演奏では
ピアノと曲とご自分の人生に向き合っているように感じ
(ご本人は違ったかもしれませんが)
目頭が熱くなって
涙がぽろぽろ流れました。
創業者河合小市氏が、
人の手にこだわったからかなあ、
日本人であることに強くこだわったからかなあ、
だって
私たちは日本人だからなあ。
樹原先生がいつもそこに強く想いを込めて作曲していらっしゃることも
演奏された方を通してすごく感じる時間でした。
梅雨入りのような日だったから
余計にそんな風土まで感じたのかもしれません。
こんにちは
千葉県成田市 ピアノ教室&音楽イベント
あきこ先生のピアノ出張レッスン♪
かとうです。
ホームページ
http://ouchi-de-piano.jimdo.com/
まず、樹原先生より
*ショパンコンクールなど世界の大きい舞台で
日本のピアノが公式ピアノに採用されるようになり、
西洋文明の集大成としての楽器の中で堂々と肩を並べる
存在になっていることが嬉しい。
*日本各地のセミナー会場でShigeruKawai(以下SK)に出会うが
もう少し弾いていたくなるピアノ
*ピアノランドフェスティバル録音審査で選ばれて
公開レッスンでこのSKを弾く姿を見て
家でやってきたことと違うパワーが出てくるので
ぜひ、耳盛り、育ち盛りの子供たちに弾かせたい、聴かせたい
*パウゼに設置されているShigeru Kawaiの今日の状態は
前日と全く違う調律で1音1音輝く音で迎えてくれている
(昨日まではショパンフェスティバルで使用されていて
ショパンのイメージで88音のバランスが調整されていた)
*調律=これから挑む作曲家、作品を充分に表現できる状態にすること
*道具が違えば出来ることの可能性が大きく変わってくる
良い道具を使うには、使いこなせる知識、耳、テクニック、心を持つ
(そういう音楽家として心を磨くこと、楽器と語らって音楽を作ること
ということ、と解釈しました)
*響きの長さが独特、音の減衰が長いパワーのあるピアノなので
その力に頼る弾き方が出来る。
ペダルを踏むのか、踏まないのか、どこで出すのか、出さないのか、
一つの音の中で響きをどこに持ってくるかまで相談できるピアノ。
曲全体の表現時間を長く保つことも出来る。
ピアノの持っている個性を充分把握して響きを考えること
・・・書いたらキリがありません(笑)
樹原先生がおっしゃる一言一言が
事実の裏付け、確証、になっていく瞬間です。
(私はそう思って聴講しています)
続いて、
東京アーティストサービス室コンサート技術 小野寺仁志さんより
SKの響きの秘密レクチャーがありました。
誠実なお人柄で
「きみはきみのままで」を聴いて勇気を得て
今日このレクチャーを引き受けるに至ったとお話があり
そんなちょっとしたことから
会社の理念が垣間見る気がしました。
特徴として
このパンフレットで触れられていることが挙げられました。
*ABS樹脂による新素材で木材の欠点をカバー
*天然木自然乾燥による響きの追及
*手作り
*ダンパーの降り方
*鍵盤2センチ長によるアクションの動きの良さと調律効果安定
パンフに付け加えると
響板の素材はスプルースという針葉樹で
カワイが求める響きに一番適しているのだそうです。
木枯らし(きがらし、と読む)といって
樹木の細胞をオートメーションで圧縮せず
5年の歳月をかけてまず水や空気の通り穴である管のような細胞を
自然に収縮させ、製品になった時に伸縮を防ぐ「待ち」の行程により
樹木本来の持っている響きを安定して提供しているそうです。
これって
ネフ社の木の積み木と全く同じ行程で、うんうん、とうなずきました。
上のパンフの中央
ウルトラ・レスポンシブアクションに使用されている
とっても軽いウィペン↓ 触らせていただきました。ほとんど重さが無い感じ。
こちらは
昨日パンフとセットでいただいたDVDから
鍵盤長の特徴あるアクション全体です↓
そして
お土産として、ハンマーをいただいてきました↓
ダンパーの降り方・離れ方として
打鍵・離鍵・ペダル使用時、垂直方向にのみ動く従来のものから
ペダルを使用するときに
徐々にダンパーから離れていくような構造に仕上がっている
のだそうです。
すごいことですよね。
これは実際に踏んでみないと何も書けません。
おそらく踏んだ時に足の裏に感じる踏み具合が違い、
タッチも変わり、当たり前ですが響きがより伸びる、
と想像しました。
ここまで説明を受けてからの
付属のDVDは圧巻、
日本人の誇りですね、
ぜひ手にされてご覧ください。
次回は
11月8日(日)ベーゼンドルファー東京にて
なんと偶然にも予定が空いていました。
毎回ご縁があってうれしく思います。